ピリスとアルゲリッチ
最近驚いたこと。
既に引退していた名ピアニストのピリスが、ピアノ演奏を披露した。
ピリスの自宅かスタジオみたいな場所で演奏された。
悲しみや懐かしさといったさまざまな感情が現れたが、このような世界の状況のなかで、音楽によるメッセージをもらえたようで良かった。
さらに衝撃的な事件が起こった。
ソロ・リサイタルを開かなくなって久しい天才ピアニスト、アルゲリッチがショパンを弾いた!
彼女が弾くショパンは特別。
空気が、香りや色が、変わる。
今回は、ドイツのコンサートホールで、ショパンのピアノ・ソナタ第3番が演奏された。
何十年ぶり?
演奏に至った経緯は分からないけれど、おそらくロックダウンでピアノ協奏曲などの出演予定がなくなり、家にいる間に誰か親しい人が提案したのだと思う。
とにかく、夢のようだった。
ただ、演奏が終わるとステージに独りきり、無観客だから拍手や歓声もないというのはアルゲリッチにとって残酷で、今の現実に引き戻された気がした。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲
CDが好きで今まで粘ってきたのだが、コロナの影響で輸入が遅れていたり配達にも気を遣うようになったり、その結果、ダウンロードも利用していくことにした。
クラシック音楽の場合、音質やダウンロード可能なアルバムの範囲など問題はあるけれど、とにかく便利だし世界は広がると思っている。
まだ実際に聴いたことがない演奏家やアーティストにどんどん接していきたい。
最初に購入したのは、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。
この曲を聴きに行く予定だった演奏会が中止になってしまったから。
比較的新しい録音で、ヴァイオリンのソロは庄司紗矢香。
すごく良かった。
第3楽章の短調になる部分が特に美しい。
カデンツァはヴァイオリニストのオリジナルで、お見事。
テミルカーノフが指揮するロシアのオーケストラも悪くなかった。
いつかホールに聴きに行きたいと思わせてくれた。
片岡